整復サロンTSUNAGI
斎藤彰裕(さいとうあきひろ)です。
ここ数年、医療の世界でもよく言われるのがEBM(根拠に基づく医療)というものです。
ただ論文などをみていても、その根拠とはおもに科学的な根拠がほとんどだとおもいます。
もちろんそれが悪いわけではありません。人の身体を診るための一つの資料としてはいいとおもいますが、別の視点である物理も合わさるとより良いと確信しています。
では科学というのはいったいなんなんでしょう?
私はとくに医学における科学というのは分科学だとおもっています。そう細かく分けていき、そこにある事実を確認するのが科学です。
例えば、今までわからなかった病気なども、より細かく分けていく技術ができ、細菌やウイルスといったものが見えることで薬の開発にも繋がっています。
だから今日の医学も、外科学から整形外科、形成外科、脳外科など分科していたり、内科も消化器内科、循環器内科、婦人科など分けられています。医学の発展とは科学の発達によるものが大きく、そしてその発展した姿はより細分化された姿だと感じています。
より細かく診ないといけないときには非常によいものだとおもいます。
ただ人体も細かい部分の営みでもまたそれが合わさった身体全体で見ても、そこに現象がある以上は力が働いています。その現象を読み解くには物理の視点が必要です。
例えば血圧を例にしましょう。現在の血圧の平均値などは、大勢の人から得られたデータを参考にいれてだされています。まさしく科学的な手法だとおもいます。
では物理からみたらどうでしょうか。
まず年齢や性別、そして身長や体重も違うなかで、例えば高血圧の基準が同じになるということはありません。
最高血圧は物理的に見たら心臓から脳に血を送る際にどれくらい圧をかけたらいいかというものです。
いわばホースの水やりでホースの口を閉じると、高く弧を描いて水がでます。あのホースの口を押さえて勢いよくでてる水圧が血圧になるからです。だから人によって違います。
物理的手法だと身長と体重からおおよその自分の血圧を算出することができます。
科学的な視点により、細かい部分まで算出されたデータから紐解いていくことも必要です。
そして物理的な視点から、その現象や事実ををとらえて力の流れなど紐解いていくことも必要です。
私は常にこの2つの視点をもち、さらに西洋医学や東洋医学の視点をエッセンスとして持ち合わせ、今あるその人体を感じ観ることが『人を診る』と確信しています。