こんにちは。斎藤彰裕です。
「首が数年前から回らなくて便秘気味です」
そんな方の身体を視て違和感を感じ、何か大きなケガがなかったか聞いてみると、交通事故にあったことがあるということでした。
例えば、追突事故で受ける衝撃(エネルギー)は1tの普通車に30kmで当てられたら約34000Jです。まあ数字からしても身体で止めきれるものではないなと予想がつきます。
大切なのは身体に当たらなくても34000の力は一瞬で身体を駆け抜けたということ。事故後の治らない後遺症は、この衝撃を無視していることが大きいからです。
ではその衝撃の爪痕がどこに残るのか。
首の骨は頚椎といいますが、第一頚椎と第二頚椎には椎間板がありません。すなわち摩擦力が働かないので、衝突力でズレが発生します。そしてそのズレはそのまま残ります。
力が大きすぎると第二頚椎はズレが限度を超えて骨折します。
また背骨はS字状になっており上から頚椎、胸椎、腰椎、仙椎の4つに別れます。頚椎は前に胸椎は後ろに、腰椎は前にといったように、向かう方向が違います。すると問題になるのはそのつなぎ目です。
頚椎と胸椎、胸椎と腰椎、腰椎と仙椎はつなぎ目なので力を受けやすく、衝撃によるズレが発生しやすいです。後遺症の頭痛や首痛、腰痛や手足のシビレの要因にもなります。
ただ1番問題なのは、全身を衝撃が駆け抜けてるので背骨以外の臓器や血管、神経もその衝撃を受けてることです。
弱い部分があればそれはそのままねじれになり残っています。
こういった事故損傷で大切なのは、首を牽引するでも、電気をあてるでも、冷やす温めるでもなく、まず衝撃を抜いていくこと。
この一択だと考えています。