こんにちは。齋藤彰裕です。
先日うちの孫を診てほしいと、お世話になっている方から連絡があり診にいきました。
あまり詳しいことは聞かずにいったのですが、ついてみると歯も何本か生えてきている1歳を越えたお子さんがいらっしゃいました。
両親にお話を聞いてみると、生まれたときに左脚が湾曲した状態で生まれてきたらしく、医者には問題ないといわれたとのこと。実際足も一見普通に伸びてるように見えます。
ただ、生まれてからずっと便秘で、1歳を越えてもまだ立つこともできないし、歩くこともできないですとのことでした。
お子さんを診てまず感じたのは、両脚特に左脚の認識をお子さんが全くしていないことでした。実際脚を軽く持って動かしてみると「プラプラ」した感があります。これは物質的に繋がっていない状態でよく見られます。
また脚をわざと目の前にもっていってみせてみると目線や焦点が合いません。これも繋がっていない認識していない状態ではよくむうけられます。
身体は筋肉や骨、血管なども含め様々な膜で覆われており、その膜は脚と背中や脚とお腹など脚以外の身体とも繋がりを持ちます。
だから、脚を持って軽く動かしても、お腹や背中などと繋がりを感じプラプラした感触はでないです。
また脚は必要以上にぷよぷよと膨張してうました。赤ちゃんとはそんなものと思うかもしれませんが、これは浮腫です。ねじれているため細胞の外に水分が溜まっている状態です。
そして脚を認識してないということは、脚を使った発達プログラムが組めていないということです。通常は生後一月もすれば、足をつかんだり舐めたりと足の知覚と動きを覚えていきます。そして足の認識と手の認識もでき、体幹と繋げて動く練習である寝返りで体幹力と連動性を鍛えていきます。
すでにこの段階から発達が抜け落ちてるので、歩くことはもちろん立つことも難しいです。さらに左脚は立つための機能もねじれているためできておらず、このままでは立つ歩くは筋肉が代償するくらい成長するまで難しいと感じました。
そこでセッションを開始。まず左脚の股関節や膝、下腿、足首とねじれをほどき、時折触れ続けておくことで脳と繋げて認識を向上させる。それを何度も繰り返しました。
一年以上まともに使われていない脚はねじれを取っても脳が認識していくにはとても時間がかかりました。
ただ徐々に認識していったので次は認識させたまま、股、膝、足関節の複合運動をしていきました。そうすることで生後1,2ヶ月で身につける複合運動を脳にインプットして体幹との連動性をだせるようにしていきます。右脚も同様に繋げて連動性を高めていきました。
次に背中へのアプローチをおこないました。背中は緊張で固まっています。背骨のねじれをほどいていくと背中もみるみる伸びて柔らかく変化していきました。
またお腹へのアプローチも行いました。脚がしっかりしていないので支えがなく、内臓は下垂してさらに緊張で硬くなっています。
緊張を緩める手あてと内臓を整える手あてを施すことで、両親も「すごい柔らかい」というくらいのお腹へと変化していました。
胸のねじれから呼吸も浅かったので、胸のねじれも整えて内臓との連動性もつけていきました。
全ての治療を終えてみると自らしゃがみこむようになりました。これはディープスクワットのような状態で生後8ヶ月くらいで見られます。立つための安定性と股関節や骨盤の力を養う運動です。
この動作を自然にするところからみて、8ヶ月程度までは成長を進めることができたと判断できました。脚も認識がしっかりしてきたので、繰り返ししゃがんだり両親に抱きついたりをしてると自然と立つようになりました。その後歩くのもヨチヨチとではありますが見られるようになってきました。
両親には今後の注意点などお伝えして終了しましたが、私が帰ってる最中に連絡があり、便もすぐにでたようです。
このように立てない歩けないは病気ではありません。身体を認識できてないがゆえの発達の障害です。認識をさせ連動性を高めてあげる、本来得るはずだった発達の過程を取り戻してあげることが成長に繋がります