整復の魔術師 斎藤彰裕です。
好きなことを仕事に!やりたいことやろう!などと世間で言われることを聞くことが多いです。私はそれを受け取る人が自由に選択すればいいと思うのですが、人の身体を診るスタンスが変わったことで私自身とても明確になりました。
1、これまでの治療と転換期
私は身体を診る仕事を始めて14年になります。社会人を経験して、専門学校を卒業し右も左もわからない中、まず整骨院につとめて患者に触れるところからはじめました。
慣れてきたもののそこである患者さんに『気持ちよかったわ』と言われ、治すことをやってるつもりがいつの間にか慰安になってると愕然として、治すことを勉強するためクリニック、病院へと転職しました。
クリニックや病院では、多くの患者に出会う中で課題がでてきて、『ここの動きを良くするには?』『この痛みをとるには?』と様々な技法や技術、ストレッチングやトレーニングなどを学び実践してきました。
当時の私の治療は、例えば腰痛であれば原因を評価してその原因をよくするにはこれだろうと、様々なテクニックの中から最適を選び実践する形です。
多くの引き出しをもつことによって確かに様々な症例に対応しやすくなり、改善という結果もしっかりでるようになりました。しかし、まだ納得できる形ではなかったです。今考えるとずっと納得できなかったとおもいます。ここから転換期が訪れました。
(転換よー)
2、現在のスタンスからみた仕事
ある勉強会に参加したときスタンスが変わるきっかけになりました。そこで学んだことは感覚についてです。そして人の身体にきちんと興味を持つことでした。
人の身体に触れる仕事をしながらも、人の身体にきちんと触れていないことに気づきました。(これは身体に触れる職種の多くのかたがそうかもしれません。)
そこからは人の身体がわかるように、まずは自分の感覚を鋭くさせていきました。そうすると今まではわからなかった血の流れ、膜の張り、臓器の位置や形など触れているだけでもなんとなく見えてくるようになりました。
それがわかってくると、例えば絡まりあってる場所でも、もしかしてこっちが行きたい場所なのかな?とちょっときっかけを与えるだけで大きく身体が変化するようになりました。
そこからはただ触れて感じて、求める方向に少しきっかけを与える。これまでの技法を一旦捨てさり、その繰り返しをしていく中で、おのずと結果もでるようになりました。
これまでは治すという大義名分を勝手にかかげ、合うだろうという様々な技法(自分の好きなこと)をその身体に押しつけていたように思います。
痛みの緩和や動きの改善という患者が意識できる改善はあったが、身体には本当にその方法が必要だったのかということです。ほとんどがそうじゃなかったと思います。
(殴りにいこーかー ヤーヤーヤー)
3、現在の身体へのスタンスと仕事
今までのように、治療という大義名分をかかげ、様々な技法やテクニックを駆使することは、自分勝手な立場で自分の好きなことややりたいことを、痛みの解消など結果を求めて行っていました。けど、身体にとっては必要でないことが多いです。
身体を社会に当てはめると、好きなこと、やりたいことは社会に必要ないことが多いということです。
現在のスタンスは、身体をしっかり感じ取り、求められる部分にきっかけとなる程度の力(整復)を与えるだけです。それが結果へ自然と繋がります。
仕事であれば、社会をしっかり感じ取り、求められることを積み重ねることで、自然と結果に繋がりそれが仕事になっていく。
今をしっかり生きていくこと、求められることを重ねていくことで、それが好きなことになっていくとなおいいなと感じます。